Wednesday, May 31, 2006

お笑い帝国・大阪ローカルテレビ事情

●先月から関西ローカルの番組を見ることができました。全国ネットとは一味違うこってりした味のある番組を紹介します。
●「探偵ナイトスクープ」
いわずと知れた朝日放送の看板番組です。毎回、視聴者から寄せられたくだらない疑問をタレントの探偵が調査をするという番組です。「バカ・アホ境界線」はどこかという番組で受賞されました。
先週見た番組では「サボテンは食えるのか」「ゲイの私の命を救ってもらったあのタクシーの運転手を探して」など。探偵は桂小枝(みなさーんで有名な関西落語家)、松村邦宏、間寛平、カンニング竹山、北野誠…局長はなぜか西田俊之、名誉顧問はキダタロー(浪花のモーツアルト)といった面々です。一時は東京でも深夜枠でやってました。現在はDVDで観れるそうです。
●「たかじんのそこまで言って委員会」
やしきたかじんという関西テレビ界の帝王がいます。もとは歌手なのですが、現在は司会者です。この番組では毎回テーマに沿ってパネラーが討論する番組です。レギュラーは勝谷雅彦(元週刊文春の毒舌ジャーナリスト)、桂ざこば(関西落語界の重鎮。通称ザコビッチ)、三宅正之(政治評論家)、橋下徹(行列の弁護士。最近脱税が摘発されてました)など。全国ネットでは喋れない話をしてくれます。先日はプロ野球評論家の金村が新庄引退宣言の裏事情を喋ってました。(開幕戦でパフォーマンスで球場を満員にしたにもかかわらず、セーフティバントを命じられて切れたらしい)
●「たかじん胸いっぱい」
たかじんをもう一本。こちらはたかじんが毎回、芸能界の裏事情を独自の理論を巨大ボードに汚い字で書きまくるケッタイな番組です。先日は「慰謝料をでもめてる森進一が歌手生活でどれだけ稼いでいるのか」を計算してました。暗算の日本チャンピオンを呼んで計算させるところが笑えます。また、ことしの24時間テレビは誰がマラソンを走るか(横峰さくらのパパか石田純一)とか、次のキムタクの月9はどうなる?みたいな暇ネタを1時間喋り捲るだけなんですが結構魅せます。
●「ジャイケルマクソン」
吉本芸人の私生活公開番組です。司会は陣内友則(なるトモという帯番組の司会)。レギュラーに中川家、フットボールアワーなど吉本若手のエース(M-1グランプリ優勝者)が揃ってます。先日は女芸人大会で、末成由実の自宅拝見という吉本新喜劇を見ている人にしか通用しない企画をやってました。面白かったです。非常階段シルク姉さんのダイエットなど。害人の恥ずかしい写真や、家族歌合戦など。
●「扇町兎宴会」
笑い飯というコンビが司会(M-1グランプリ決勝の常連。ボケにボケをかぶせる芸風。はまるとものすごいお笑いグルーブが起こります)。毎回ゲストを呼んで面白い話を披露します。まっちゃんの「すべらない話」が毎週やっているという感じですか…
●「土曜はダメよ」
だったと思いますが、藤井隆とYOUが司会のバラエティ。名物コーナーの「ナニこれ」は浪花コレクション。要は商店街のおばちゃんのファッションチェックです。まあ観てください。これが関西です。もう一つのコーナー「ダメットさん」はダメ人間を毎回紹介します。コーナー司会はフットボールアワー。
●他にもまだまだありますが、今日はこのへんで。出張や旅行の折にはご覧下さい。

Tuesday, May 30, 2006

MI-3公開記念・トム・クルーズの真実

●「MI-3」が大ヒットして、製作を兼ねるトム。クルーズには100億円単位の利益が手に入る。そんな中、アメリカ下院で、「トム・クルーズ法」が通過されたそうだ。どういう法案なのかと言うと、胎児に必要以上に超音波検診をしてはいけない、と言う内容だそう。何故こんなことが起こったのかと言うと、トムが婚約者のケイティホームズという女優が自分の子を妊娠し、毎日、ソナー検診をしたいがために自宅に検診機を購入。毎日赤ちゃんの様子をチェックしているそう。ただし、実はこの超音波が胎児にはよくなく、悪影響を与える可能性がある。さらにトムは子供を自宅で産む、とか言い出して、自邸に産婦人科分娩室を造ったそう。
●トムはなぜこんなことを言い出したのか。全米一の人気番組「オプラ」に出演した時も尋常じゃないはしゃぎ方で薬でもやっているのか、と思わせる行動だった。また、女優のブルックシ-ルズが妊娠したときに精神安定剤を飲んだこと罵倒したり、奇行が目立つ。その原因は彼が信仰するある宗教に由来すると言う。
●「サイエントロジー」という新興宗教がある。ジョン・トラボルタ、ベックなどセレブにも信者が多い。トムはこの宗教の広告塔で、MI-3での利益の大半が流れると噂されている。7500万年前の宇宙を支配する悪の帝王が…みたいなスターウォーズもびっくりの気宇壮大な協議を掲げる。
●前作「MI-2」のヒロインに指名されたのはケイティ・ホームズだが、体調不良で降板。が、実はその前に降板した女優がいる。ロストイントランスレーションなどで有名なスカーレット・ヨハンソンだ。この時、降板したいきさつが面白い。撮影中にトムに食事に誘われたスカ。どんなレストランに連れてってもらえるのかわくわくしていたスカが連れて行かれた先はなんとサイエントロジーの本部。スカは逃げ出したそう。その後、抜擢されたのは現妻のケイティなのだ。彼女はこの後、14日行方不明になったのだが、この間サイエントロジーで洗脳を受けていたと言われている。ケイティはキリスト教原理主義者の家庭で育ち、結婚するまでは処女と公言していた。そんな彼女が新興宗教に入信したことに両親は激怒している。ちなみにトムはニコールキッドマンの時もぺネロぺ・クルスの時もこのパターンでゲットしている。つまり自分が製作する映画の相手役に無名女優を大抜擢して、撮影中に落とすというスキーム(笑)。ビッチで有名なスカにはスカくらってまじめなケイティちゃんはあわれトム狼の餌食になったという。
●さらに疑惑が深まるのはケイティのお腹の子人工授精ではないのかという説がある。トムは昔からホモ疑惑が絶えず、前婦のニコールとも子供はできず、養子を取っていた。結婚までは処女を主張するキリスト教原理主義者と意見が一致した可能性がある(二人はまだ婚約中)。妊娠後のトムのはしゃぎブリはマイケル・ジャクソンを髣髴させるものがある。まあ、この項目は推測の域をでないが…
●とにかくハリウッドの帝王として君臨するトム・クルーズがマル気にしか見えないのは今日のハリウッドを象徴しているともいえる。俳優としてのトムは優れていると思っていたワタクシもさすがについていけないと思い出しました。まあ映画が面白ければいいんですが…ここんとこ滑ってますからね「宇宙戦争」「コラテラル」とか
●最後にワタクシが選ぶトム映画ベスト5
「レインマン」名優ダスティン・ホフマンを食ってました。
「ハスラー2」マーティン・スコシージ監督。共演はP・ニューマン。難しい役どころをこなしてました。
「ザ・エージェント」スポーツ・エージェントの裏側を描く。
「ザ・ファーム」J・グレシアムの法廷ミステリー。G・ハックマンと対決。
「マグノリア」p・t・アンダーソンの群像ドラマ。トムは新興宗教の教祖役で今日につながるきな臭い役柄ですな…
あれ、古い映画ばっかりやんか。終わってましたな、トム・狂ーず。

Monday, May 29, 2006

再読「日本近代文学」・①自殺したカリスマシェフ・芥川龍之介

●どうも最近、夏目漱石を読んで面白かったせいか、日本近代文学の大家が気になる。そこで短編小説の大家・芥川龍之介の作品を再読してみた。小学校のときに「蜘蛛の糸」や「杜氏春」を読んでおわりだが、本当に日本の国語教育はやり過ぎなんちゃうの?意味わからんちゅーの!小学生には!
●芥川龍之介は明治25年、東京生まれ。生後すぐ、実母が発狂し、親族に養子に出された。複雑な家庭環境が作品に影響を与えているのは漱石と同様。どこかで母親的な愛情の欠如と渇望を繰り返している。その後、東大在学中に発表した「鼻」が師・漱石に激賞され、一時代を築くが、大正末期には当時、文壇を席巻していた自然主義の波に乗れず、初期の作品とは違う暗い自叙伝的な作品を残し、昭和2年には自殺している。
●作品はしたがって前期、後期に分かれる。
前期の傑作は
「鼻」「羅生門」「芋粥」「手品」「地獄門」「杜氏春」「蜜柑」
等。
後期は
「ある阿呆の一生」「河童」「蜃気楼」「歯車」「南京の基督」「玄鶴山峰」
前期作は平安時代の説話集「今昔物語」から題材を得たものが多い。というか、内容そのままのものもある。日本近代文学史上、最もレベルの高い短編小説の一群を築いた。これだけ質の高い作品を短期間で書き上げたことは世界文学史上でも特筆するレベルである。これに対抗するのは夏目漱石の晩年の長編ぐらいである。このことは逆に芥川の自殺にもつながる。要は20代で速すぎたピークを迎え、その後、健康面や、不倫問題に加え(けっこう女好きだったらしい)、作風の転換、脱皮に失敗し、「ぼんやりとした不安」を抱えて死んでしまった。
●ところが皮肉なことに、芥川はその草稿を含めて死の直前に第二のピークを迎えた。「歯車」はぼんやりとした不安な日常を表現した傑作。「ある阿呆の一生」は文字通りの遺書。ただ、この両作はそんなに面白いものではないと思う。芥川の原稿だから読み継がれているので、全くの第三者が書いたものならば歴史には残ってないのではないか。そんな死の予感に満ちた後期の作品の中で「河童」は面白い。前期の作品に通じるユーモアがこの作品にはある。主人公の作家が河童の国に紛れ込むという幻想小説。この作品にはカフカや村上春樹にも通じる恐怖を表現している。死のイメージに満ち溢れているが、死に覆われきっていないところが上記作品と違うところだ。そう言えば村上春樹が近作「東京奇談集」で「いい小説家とは事物を観察して観察して書ききらない、これが重要だ」と書いていたが、まさに芥川の後期作品に当てはまる。「蜃気楼」には死のイメージが充足しているが死に飲み込まれてはいない。これは谷崎潤一郎との「筋のない小説」論争に対する回答である。この小説には何も筋がない。しかし、随所に浮かび上がるメランコリックなイメージに打ちのめされる。遺作である、「ある阿呆の一生」は死そのものの影が濃い。濃いいというよりほとんど遺書だ。そうなったら作家死ぬしかないのだろうか。
●いずれにせよ、芥川の前期の短編は誰が読んでも面白いし、後期の一部の作品は今後も文学通に様々な検証が加えられる問題作だ。そう言えば、漱石の研究は江藤淳、柄谷行人など、進められているが芥川に関してはまとまったものがない。「日本精神分析」で柄谷が安土桃山時代の神父を主人公にした「神々の微笑」を題材に論評している。この中で柄谷は日本に様々な文化が導入されるが、結局は日本流に換骨奪胎してしまう霊力があることを芥川は知悉していると、論じている。とにかく大人になっても再読に耐えうる日本を代表する短編作家。日本はそもそも短編作家ばかりなのでその中でも群を抜いた存在であることはすごいことなのだ。
●最後にワタクシのお薦めベスト5
「河童」「蜃気楼」「蜜柑」「魔術」「芋粥」

Friday, May 26, 2006

再読「日本近代文学」②遅れてきた明治男・松本清張が昭和を撃つ

●平凡社新書から「松本清張と昭和史」という本が出た。作者は昭和史研究で有名な保坂正康。この本ではテレビでおなじみの「けものみち」や「黒革の手帳」といった銀座ものとは違う、松本清張の本筋でもあるのでこれをきっかけに興味を持ってほしい。そもそも、松本清張は低学歴、怪異な容貌で女性には奥手だったそう。確かに初期の「ゼロの焦点」なんか読むと性描写が少ない。そのことを指摘された清張氏は有名作家になってからは銀座のクラブに入り浸るようになり、それが基で米倉涼子主演の一連のドラマが誕生したそう。ただし、清張の仕事の最良の部分はこの本に紹介されている「日本の黒い霧」「昭和史発掘」です。文春文庫で新装版が発売され読みやすくなってます。
●「日本の黒い霧」はGHQ占領下でおきた快事件が実はアメリカの陰謀だった、と言うことを究明した作品。当時国鉄総裁だった下山氏が礫死体で発見された事件をGS(民生局)とG2(情報第二局)の対立が生んだアメリカのの謀殺だったという。また、帝銀毒殺事件の真犯人は米軍にかかえられていた石井細菌部隊(「悪魔の飽食」で有名)の生き残りの犯行であるとか、読み始めるととまらない。中にはこじつけちゃうのと思う説もあるが、GHQが6年間日本を支配したのは事実だし、近現代史では珍しいケースであることは記憶しておきたい。
●今日のイラク戦の処理をかんがえても曲がりなりにも普通選挙が導入されていた民主主義国家を6年間占領し続けたことは異常である。その間に起こった数々の未解決事件の米軍が全く関与してないなんてことは可能性が低い。そう言った意味でも、我々日本人は戦時中や終戦直後の歴史に関しては思考停止状態だった。それらが正しいとか正しくないとか言う前に日本で何が起こってたか知って損はないと思う。
●「昭和史発掘」はまさにそのような意図で造られた本。芥川龍之介の死から226事件まで、昭和前期の重大事件を分析した大作。戦争中の1940年から1945年までの五年間を外して「昭和史発掘」が第一部、「黒い霧」が第二部とみていい。
●両方読んで面白かったら、古代史シリーズや、初期の推理小説を読むのもいい。デビュー作の「西郷札」は明治維新当時、藩札を巡るある男の苦悩を描いた佳作。「ある小倉日記伝」は陸軍在籍時の森鴎外の日記を巡るある埋もれた男の人生にスポットライトをあてたもの。清張全作品に通じる敗者の悲しみがすでに表れている。
●社会派推理小説というジャンルは今日でも横山秀夫や、宮部みゆきに受け継がれているが、元祖はこの人だ。電車の時刻表をトリックに使った「点と線」。その後も西村京太郎作品などで延々焼き直されている。戦争中の過去を隠すために起こった悲劇を描いた「ゼロの焦点」はラストが能登半島のヤセの海岸が舞台。今日の二時間ドラマの原型がこれ。「砂の器」はハンセン氏病という国家のタブーに切り込む。「火の路」はシルクロードの終点としての奈良に焦点を当てている。
●「古代史疑」は邪馬台国論争を巻き起こした問題作。松本は北九州説を主張し、話題を呼んだ。また、「一大卒」は魏が北九州に創設した機関であると主張。歴史家ではなく小説家の松本が独自の歴史観を論じるのは後の司馬史観にも通じるパイオニア的業績だ。
●これらの華々しい業績を残しながらも、中央公論社の日本文学全集の作品掲載に関して三島由紀夫の猛反対を受けた松本作品。所詮は中間小説だという扱いを受けたのだろう。この点に関して橋本治は「事実を徹底的に調べ上げ、大人の解釈で作品を構成する清張と、事実を解体し、自分の空想だけで再構築する子供の三島とはお互い相容れないだろう」と論じている。両者とも愛読する立場としては貴族的ロマン主義者、審美主義者の三島とプロレタリア的社会主義的な視点で弱者を見つめる清張のどちらが文学的かなのかはきめかねる。ただ、清張作品はきちんと人間が描けている。むしろドストエフスキー作品にも通じる資質を持つ清張が昭和を代表する作家であることは論を待たない。
●清張作品の真髄は敗北者、過去の出来事によって人生を振り回された者の叫びを静かに訴えている。それは41歳で作家デビューした清張自身の姿でもある。

Tuesday, May 23, 2006

ワールドカップ予想してみたなり~

ここは日本戦です。
優勝はブラジルなんで…
結論から行きますと、1敗2分で予選敗退ですが、うまくいけば3分で予選通過です。
各試合をシュミレーションして見ます。
①オーストラリア戦 △2-2△
オーストラリアはフィジカルに強く、ロングボールを多用するイングランドサッカー。対する日本は引いて守ってPKエリアでファウルをもらい俊輔が決めるセットプレーサッカー。実力は過去の対戦を見ても伯仲してます。注意点はオーストラリアはセットプレーからの失点が多いこと。これは日本には有利でしょう。オーストラリアのエース、キーウェルは怪我で本調子でなく、この点は日本有利。ただ、監督のヒディンクは韓国を三位に導いた名将。相手の弱点を突いてきます。日本の弱点とは?ずばり、宮本とサントスです。ここを崩されると大量失点につながります。守備的MFの福西と坪井の出来次第では2点以上取られる可能性があります。日本の攻撃陣は俊輔のフリーキック頼み。先発の高原と柳沢は海外では活躍してませんので、このレベルの大会では荷が重いでしょう。後半から大黒、巻を投入して、どちらかが、ラッキーボーイになってくれれば、という展開になるでしょう。オーストラリアにすれば次がブラジルなので、最低引き分けとは考えていません。勝ちにくるでしょう。この試合は点の取り合いになるでしょう。負けたほうが最下位決定です。
◎結果は3-1でした。試合展開の読みは大体あたってましたが。ただ、後半の大黒の投入があまりに遅すぎた。ロスタイムじゃ…。ワタクシの言うとおり後半の早い時期に大黒を投入していれば、2-2で引き分けられたのにな(それでも所詮引き分けかい!)
②クロアチア戦 ●1-2○
はっきりいって格上です。ましてクロアチアは前節でブラジルに負けている可能性が高いので勝ちにいきます。サッカースタイルは引いて守るヨーロピアンスタイル。守備力、支配力、決定力を兼ね備えたチームです。予選は無敗通過しているので、まともにやったら負けます。日本がかつチャンスは同じく引いて守って守り抜いて0-1で勝つパターンが考えられますが、ジーコは長島タイプの監督なので、細かい戦術はあまり期待できません。ディフェンス陣が自分たちで考えて凌ぐしかありませんが、実はディフェンス陣自体、誰が統率しているのかよくわからないので(本来なら宮本ですが…)福西、小野あたりがやるしかありません…この試合落としたら終わりです。予選突破したいなら最低でも引き分けたい試合ですが…
◎結果は0-0でした。思ったよりクロアチア弱いですな。しょぼいチームです。なんせ2試合消化して無得点なのは全32チーム中、ここだけ。
③ブラジル戦 ●1-2○
この時点でブラジルの予選通過は決定してますので、エースプレイヤーは休みです。2位抜けがどこになっているかですが、クロアチアが日本に勝ったならばオーストラリアに負けても、1勝2敗で勝ち抜けでしょう。仮に引き分けだったとして、この試合で引き分けたとします。クロアチアが2分一敗で勝ち点2.オーストラリアが同じく勝ち点1として、日本がこの試合に引き分けて3分で勝ち点3で決勝進出という展開が予想されます。まあ、ない話ではないですが、ロナウジーニョ、ロナウドが抜けたからと言ってブラジルに勝てる可能性は低いでしょう。なんせロビーニョもジュニーニョもおりますので。
●と言うわけで、1分2敗で予選敗退というのがリアルですね。
もし、上記のように3分で勝ち抜くには、3試合で5点の得点が必要です。前回のWカップも予選で5点取ってます。内訳は鈴木1点、中田1点、稲本2点、他1点です。つまり、ラッキーボーイの鈴木と稲本の存在が予選突破に貢献したのです。私の予想では3点中、中村1点、大黒1点、巻か玉田が1点という予想ですが、すでにラッキーボーイの2点分は織り込みな訳でして、勝ち上がるには先発FWか、守備陣が点をとるしかないのです。中澤か小野、小笠原あたりが候補ですが、このうちの二人が得点しないと5点には至りません。
●もしくはブラジル、クロアチアを1点、もしくはオーストラリアを零封するかですが、ジーコの戦術は点を獲られたら取り返せばいいサッカーなので、3試合トータルを3点以内にするのは難しいでしょう。抑えて4点だと思います。したがってクロアチア戦を1点までに押さえることが重要に成ってきます。もし、クロアチアを1点に押さえて引き分けたら、次のブラジル戦で中澤あたりがヘッドを決めてくれて2-2で引き分け(ブラジルを1点に押さえることは難しいでしょう)。
3分で決勝進出がギリギリありえる予選突破ラインでしょう。
●最も、決勝トーナメントの一回戦はイタリアかチェコなので、べスト16より上には行けませんが…
最後にサッカーは何が起こるのかわからないスポーツであることを付け加えて、ジーコはサッカーの神様なんで、サッカーの神様にサッカーの神様が降りてくることを祈りましょう(結局は神頼みかい!)

武士道とは殺すことと見つけたり

●ワタクシ、最近、時代劇にはまってまして。
この間、初めて「鬼平犯科帳」観ましたが。それなりに面白くはできてはいますが、鬼平の中村吉衛門がよくない。なぜならエロくないからです。原作の鬼平はエロいんです。エロと言っても「色気」があって悪そうな男なんですが、吉衛門は育ちがよさそうだが、チョイ悪感がない。本来なら、たけしあたりが似合う役なんですな……
●そこで、
ワタクシが観た時代劇ベスト10
①切腹
仲代達也主演。理不尽な理由でお家断絶された下級武士が宿敵の井伊家に復讐する話。オープニングの切腹したいから、軒先を貸してくれと現れる仲代の登場から、井伊家家老の三国連太郎が去るシーンまで、目が離せない傑作です。 小林正樹監督。江戸時代の理不尽な封建制を見事に描いている。
②上意討ちー拝領妻始末記
こちらも小林正樹作品。殿のお手つきの妾を押し付けられた下級武士。それが、お家の都合で主家に帰れとの理不尽な命令に切れる話。こちらは三船敏郎が主演。最後の仲代達矢との決闘シーンは歴史に残ります。
③薄桜記
市川雷蔵と勝新太郎の大映二大スターが共演する傑作時代劇。理不尽な理由で片腕、片足を失った雷蔵の鬼気迫る殺陣シーンは必見。恋愛映画の傑作でもあります。 片手片足で大立ち回りをする雷蔵の妖しい美しさが爆発。
④眠狂四郎
同じく、雷蔵の当たり役。外国人の母と旗本の父を持つ、混血のニヒルな浪人を雷さまが演じる。必ず、女に言う「抱いてしんぜよう」は名セリフです。お勧めは「炎情剣」「多情剣」。円月殺法は必見。
⑤座頭市
最近はたけし版しかみてない人も多いそうですが、勝新版も観て下さい。たけし版は単なる出来の悪いパロディです。一作目、二作目は座頭市のルーツが解る。他にもお勧めは「破れ唐人剣」です。「片腕ドラゴン」ジミーウォンと戦います。 三船敏郎と戦う「用心棒対座頭市」もある。
⑥大菩薩峠
中里介山原作の長編時代劇。ニヒルな浪人、机龍之介が人を切りまくる話ですが、現在の時代劇の原型が実はこれ。なぜかアメリカでは日本版「イージーライダー」として人気があるそうです。主人公の龍之介はドラッグを決めてるに違いない、と誤解されているそう。確かにクレイジー。お勧めは片岡千恵蔵バージョン。雷蔵バージョンや、仲代達矢バージョンもある。見比べるのも面白い。
⑦血槍富士
同じく千恵蔵の傑作。旅の道中、若殿の侍従で人を切ったことがない槍持ちが若殿が殺害されて、狂気の覆襲撃を始める。ラスト近くの殺陣シーンが必見。今の様式化した、歌舞伎の立ち回りのような洗練されたものでなく、リアルです。戦前の殺陣は血の気が引くほど、エグイものだったそうですが、そういう衣鉢を継ぐ貴重な作品です。
⑧東海道道四谷怪談
天知茂って知ってますか?元々は鶴屋南北の歌舞伎だったものを幽霊映画の巨匠・中川信夫が監督。ワルでセクシーな茂の個性が光る傑作。お話は「お岩さん」なので省略します。
⑨13人の刺客
お世継ぎで二分した地方藩の殺し合い。七人の侍の集団合戦シーンより面白いです。剣豪役の西村晃のリアルな演技に注目。
⑩たそがれ清兵衛
一本ぐらいは最近の作品を…という事で入れたわけではなく、文句のない作品です。原作の藤沢周平が描く武士の日常は実にリアル。なぜなら江戸時代の250年は戦争がなく、武士とは官庁に勤めるサラリーマンみたいなもの。ただ、藩命とあれば、日ごろ鍛えた剣を抜かねばならない。それも生涯に一度あるかないか…そんな江戸時代の武士の現実をリアルに描写してます。

Monday, May 22, 2006

私が愛した女優①聖芹明香は飛田新地のジャン・ジュネか

●いやー世の中には話が解る人っているんだなー。うれしくなっちゃう。えー何の話かともおしますと、先日、書店で「名脇役の昭和映画」みたいなタイトルだったと思いますが、本を見つけまして、中を何気に見てみると、「芹明香」という章がありまして、熟読してしまいました。
●芹明香とは、かつて、日活ロマンポルノというプログラムピクチャーがありまして、要は「ロマンポルノ」という奴です。45歳以上の人ならば観たことあるはずです。
●芹明香は活動期間も短く、主演作品は数本しかないので、ほとんどの映画評論からは無視された、というか相手にされてない存在でありますが、ワタクシは彼女が日本映画史に残る名女優であると断言できます。しかし、そんなことをいっているのはワタクシだけで、日本にはワタクシしかいない、と心細い思いをしてましたが、昨日、もう一人、発見できたことが嬉しくて、嬉しくて(泣)
●しかもこのほんの著者は鹿島茂さん。知れない方に簡単に説明しますと、フランス文学の先生です。しかもこと女性に関しては日本で5本の指に入るほど、解ってらっしゃるというか、造詣の深い方です。解りやすく言うと、野球界における野村克也みたいな人です。
●その鹿島さんが「芹明香」について、30Pもの論考をされていて、内容がすばらしい。 「マル秘色情めす市場」という作品があります。お話は飛田新地(大阪に現存する遊郭です)
http://r.gnavi.co.jp/k069800/
●ここに生息する娘(芹明香)と母親(花柳幻舟)、そして、父親の違う知恵遅れの弟(夢村四郎・後の荒戸源次郎)のお話であります。このキャスティングだけでも相当すごいのですが、これに+、宮下順子(ロマンポルノの女王)、荻原朔美(アーティスト)のカップルが絡んできます。
●ま、ここでいくら書いてもワタクシの拙い文章では表現仕切れませんので、ぜひDVD観て下さい。タイトルは「受胎告知」でしたが、会社に反対されて、こうなったそうです。
●あらすじ
十九歳のトメは、ドヤ街の近くで客をひく売春婦である。トメの弟の実夫は生まれながらの白痴で、年中、家でゴロゴロしている。母よねは、四十歳を過ぎた現在でも売春婦をやっているが、あふれることか多い。小料理屋「おそめ」では裏二階で、客に女を抱かせているが、トメに辞められて以来、収入が減ってしまったために、地廻りで“大人のオモチャ屋"をまかされている浅見に頼んで、トメに喝しをかけるが失敗してしまう。ある日、トメは手配写真の中にあった強盗殺人の顔にそっくりの男、寺坂に会って以来、彼に興味をもった。寺坂と同じボロ・アパートの住人、斉藤と文江は共稼ぎだが、正式の夫婦ではない。斉藤は会社の金を使い込んでしまった。思い余った文江は浅見に頼んで「おそめ」で働くことにした。銀二はよねの情夫で時折りトメの家にやって来る。ある日銀二は、よねの留守にやって来て、トメに金を払い二人は寝た。数日後、これがバレて母娘喧嘩になるが、後の祭り。ところが数日後、連れこみ旅館からの連絡で「年増はアカン、もっと若い娘」ということでトメが行ったが、そこにいた年増というのがよねだった。収まらないのはよねで、眼を吊り上げて旅館を飛び出し、焼酎をガブ飲みして大暴れ。数日後、久しぶりに家に帰ったトメは、よねがいるので、一瞬ギクリとするが、よねは弱々しい声で言うのだった。「お前に頼むしかないんや、どないにもならへん。堕ろそうと思ってるうちに、もう五ヵ月になってしまっとんのや」「うちらみたいに生んだらエーヤンか、そんなアホなこと知らんでェ」「お前らも生むんじゃなかった。金がないばっかりに」「生んで貰って迷惑しとんのは、こっちゃでェ!実夫、よう聞いときィ」「なンやてェ! このド阿呆!」「人でなしは生まれたときからや」……。トメはプイと外へ出ると、いつものように客ひきに精を出すのだった。
●その後も、日活ロマンポルノの名脇役として活躍。特に深作欣二の「仁義の墓場」における大阪の娼婦役が記憶に残る。薬中で、主人公の渡哲也をダメにさせる。その後、本当に覚せい剤で逮捕され、しばらくは芸能界を離れたが最近、復活して細々と活動を再開したそう。