Sunday, November 05, 2006

映画千夜千本③

●「インサイドマン」☆☆☆☆
マンハッタンの銀行に強盗が入る。犯人は人質に堪忍と同じ格好をさせる。事件を担当するデンゼル・ワシントン演じる刑事。頭取は貸金庫にある秘密文書を別ルートで秘密裏に回収する。担当するのはジョディ・フォスター扮するロビースト。三者三様のドラマが繰り広げられる。主犯のクライブ・オーウエンの真意は?
●「寝ずの番」☆☆☆☆
中島らも原作。関西落語界重鎮が危篤。最期にしたいことは「お●●が見たい」弟子たちは相談し、高弟の中井貴一の奥さん(木村佳乃)に白羽の矢が…前編抱腹絶倒の艶笑話。いまどき珍しい大人向けの作品。監督は二代目マキノ正博を襲名した津川正彦。
●「マンダレイ」☆☆☆☆
ラース・フォントリア監督のアメリカ三部作の第二弾。ドッグビルを焼き払い南部のマンダレイに向かう一行。ときは1933年のアメリカ。ドッグヴィルを出たグレース(ブライス・ダラス・ハワード)は、ギャングのボスである父らと共に、南部のマンダレイという農園にたどりつく。そこはなんと、いまだに白人による黒人奴隷制が続く、驚くべき土地だった。正義感にかられたグレースは、父の部下のギャングたちの実力行使によりすぐに黒人奴隷を解放、父の反対を無視して民主的なルールをマンダレイに広めようとするが……。
ヨーロッパのインテリから見た強烈なアメリカ批判である。我々日本人には出来そうにない知的な作品だ。
●「隠された記憶」☆☆☆☆
これもオーストラリアの監督・ミハエル・ハネケ。テレビのニュースキャスターを務めるダニエル・オートイユの家に脅迫のビデオレターが送られる。不安に駆られるジュリエット・ビノッシュ演じる妻。事件は夫の過去にさかのぼる。そして衝撃の展開へ…。ハネケらしい悪意に満ち溢れたドラマは人の神経をさかな出る。好き嫌いは分かれるが、ハリウッド映画では考えられない人間に対する深い洞察が光る。

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