Tuesday, May 23, 2006

武士道とは殺すことと見つけたり

●ワタクシ、最近、時代劇にはまってまして。
この間、初めて「鬼平犯科帳」観ましたが。それなりに面白くはできてはいますが、鬼平の中村吉衛門がよくない。なぜならエロくないからです。原作の鬼平はエロいんです。エロと言っても「色気」があって悪そうな男なんですが、吉衛門は育ちがよさそうだが、チョイ悪感がない。本来なら、たけしあたりが似合う役なんですな……
●そこで、
ワタクシが観た時代劇ベスト10
①切腹
仲代達也主演。理不尽な理由でお家断絶された下級武士が宿敵の井伊家に復讐する話。オープニングの切腹したいから、軒先を貸してくれと現れる仲代の登場から、井伊家家老の三国連太郎が去るシーンまで、目が離せない傑作です。 小林正樹監督。江戸時代の理不尽な封建制を見事に描いている。
②上意討ちー拝領妻始末記
こちらも小林正樹作品。殿のお手つきの妾を押し付けられた下級武士。それが、お家の都合で主家に帰れとの理不尽な命令に切れる話。こちらは三船敏郎が主演。最後の仲代達矢との決闘シーンは歴史に残ります。
③薄桜記
市川雷蔵と勝新太郎の大映二大スターが共演する傑作時代劇。理不尽な理由で片腕、片足を失った雷蔵の鬼気迫る殺陣シーンは必見。恋愛映画の傑作でもあります。 片手片足で大立ち回りをする雷蔵の妖しい美しさが爆発。
④眠狂四郎
同じく、雷蔵の当たり役。外国人の母と旗本の父を持つ、混血のニヒルな浪人を雷さまが演じる。必ず、女に言う「抱いてしんぜよう」は名セリフです。お勧めは「炎情剣」「多情剣」。円月殺法は必見。
⑤座頭市
最近はたけし版しかみてない人も多いそうですが、勝新版も観て下さい。たけし版は単なる出来の悪いパロディです。一作目、二作目は座頭市のルーツが解る。他にもお勧めは「破れ唐人剣」です。「片腕ドラゴン」ジミーウォンと戦います。 三船敏郎と戦う「用心棒対座頭市」もある。
⑥大菩薩峠
中里介山原作の長編時代劇。ニヒルな浪人、机龍之介が人を切りまくる話ですが、現在の時代劇の原型が実はこれ。なぜかアメリカでは日本版「イージーライダー」として人気があるそうです。主人公の龍之介はドラッグを決めてるに違いない、と誤解されているそう。確かにクレイジー。お勧めは片岡千恵蔵バージョン。雷蔵バージョンや、仲代達矢バージョンもある。見比べるのも面白い。
⑦血槍富士
同じく千恵蔵の傑作。旅の道中、若殿の侍従で人を切ったことがない槍持ちが若殿が殺害されて、狂気の覆襲撃を始める。ラスト近くの殺陣シーンが必見。今の様式化した、歌舞伎の立ち回りのような洗練されたものでなく、リアルです。戦前の殺陣は血の気が引くほど、エグイものだったそうですが、そういう衣鉢を継ぐ貴重な作品です。
⑧東海道道四谷怪談
天知茂って知ってますか?元々は鶴屋南北の歌舞伎だったものを幽霊映画の巨匠・中川信夫が監督。ワルでセクシーな茂の個性が光る傑作。お話は「お岩さん」なので省略します。
⑨13人の刺客
お世継ぎで二分した地方藩の殺し合い。七人の侍の集団合戦シーンより面白いです。剣豪役の西村晃のリアルな演技に注目。
⑩たそがれ清兵衛
一本ぐらいは最近の作品を…という事で入れたわけではなく、文句のない作品です。原作の藤沢周平が描く武士の日常は実にリアル。なぜなら江戸時代の250年は戦争がなく、武士とは官庁に勤めるサラリーマンみたいなもの。ただ、藩命とあれば、日ごろ鍛えた剣を抜かねばならない。それも生涯に一度あるかないか…そんな江戸時代の武士の現実をリアルに描写してます。

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