Friday, June 23, 2006

ど素人vsプロ中のプロが動かすお笑い・日本経済

●福井総裁の「ド素人ですから…」を聞いた時、ああこの人は危機管理と、日本経済の舵取りとして二重の意味でド素人だと思いましした。それに引き換え、投資家としては「プロ中のプロ」なんじゃないですか。7年で、元本が倍以上になってるんですから。
●ただし、マスコミで言われるようにVIP待遇運用を受けてたとしたら…まずいですね。村上氏を紹介してくれたオリックスの宮内氏をかばって…とか喧伝されてますが、やばいですね。
●最初は富士通の顧問時代に購入したファンドなので、大した事件にはならないと思っておりましたが、福井氏自身の危機管理の甘さで次第に波紋が広がってきました。発言は二転三転し、「大した金額ではない」「村上氏のようなやる気のある若い人に支援をした」「阪神ファンとして許せなかった」とか、発言の方向性が間違った方向へ進んでます。そもそも利殖行為は悪いことではないのだから、どうどう「金儲けです」といえばいいのだ。また、1,400万円の利益がはした金というのはこのゼロ金利時代にバッシングされてもしょうがない、と言うか、バッシングされたがって辞職したいとしか思えない発言を連発する。
●それなのに本人は「辞任したくない」と仰るのだから、全く状況が見えてない。視野狭窄になっているのか、よほどの馬鹿か。立川談志師匠曰く「状況判断できない人、優先順位を間違う人、これを馬鹿という」。名言ですな。とにかく村上ファンド全額寄付、給料30パーセントカットとか、過去のノーパンしゃぶしゃぶ事件で副総裁を辞任したこともあってか、死んでも辞任だけはしたくないのだけは伝わってくる。総裁を辞めると何か不都合でもあるのか?とにかく疚しいことがなにもないのにここまで卑屈になることもなかろう。かんぐられても仕方がない。世間を騒がせた罪というのでここまで、譲歩したら後進に迷惑が掛かる。日銀の独立性に影響を与えかねない。「カネさえ俺が損すれば馬鹿な大衆は溜飲を下げるだろう」的なび縫策にしか映らない。なんだかんだ、自分のことしか考えてない構図が見えてくる。そう言えば、白洲次郎は「日本にはプリンシプルがない」とのたまってました。
●ここまで大きくなった波紋の火消しを状況判断のできない福井氏(国会の答弁でも後ろに日銀弁護団が控え、ご当人一人では対処できてませんでした。ヒューザーの尾島社長を思い出します(笑))には無理でしょう。早晩退任に追い込まれるでしょう。
●ただし、自分が何でやめなければならないのか自覚しないままやめるしかなく、それなりに一角の70代の老人の末節としては哀れだと言えます。
●今回のケースは先のホリエモン、村上ファンドと同じ流れを引く事件です。
●大蔵省=護送船団方式時代は金融機関には行政指導という形で口頭で指示を出していました。この方がフレキシブルに対応できた時代があったのです。
●時代は変り、規制緩和・金融ビッグバン時代に移行し、かつての行政指導は効力を失った。そこで遅れた法整備のすきまをついてきたのがヒルズ族だ。
●しかし、彼らも「稼ぐが勝ち」「物言う株主」とか言っていたが、ワキのあまいところがあるのと、強引な商取引を検察に目を付けられ、お縄となったのも「プロ中のプロ」とはいえない。
●だが、問題の根本は規制緩和政策に見合った法整備を怠った金融監督庁にある。その辺のところを福井氏は自覚があるのやら、ないのやら。
●確かに日銀総裁が特定のファンドを買ってはいけないという法はない。アメリカのようにFRB幹部は特定の株式、有価証券の購入を禁ずるという明確な法規はない(至急、作るべきだが)しかし、日銀の内規にはそれに準ずる内容が書かれてある。常識で考えても一国の国営銀行のトップとしてはまずい行動だろう。最低限、250万円の利益確保された05年12月に解約すべきだった。当時から日銀総裁のだった。「李下に冠を正さず」って知ってますか?なぜならば、ご本人が以前、無念の副総裁退任になったのは「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件だったことを忘れたのか?「のど元過ぎれば熱さ忘れる」は知っていたようだが…
●どちらにしろ立法(金融監督庁)司法(日本銀行)行政(ヒルズ族)の三権がこの体たらくなのが今日の日本経済の現実だ。
●笑うしかありませんな…これからしばらくはこのての金融事件が続くでしょう。MHKの最後の一人、木村剛氏も首を涼しくしてるでしょう…
●しかし、これらの騒動がきっかけで日本経済のファンダメンタルが改善されればいいんですが…改悪される可能性もあり、崖っぷちですな。日本の経済。

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