Wednesday, June 14, 2006

ワールドカップ小噺・忘れられた同盟国・ドイツ

●ワールドカップ開催地だというのに皆さん、ドイツに興味がないようですがせっかくですのでドイツについてちょっとは考えて欲しいモンです。
●今回のワールドカップのドイツ的意義は東西統一後の初の国際的祭典であるという点です。旧東ドイツの開催地はベルリンとライプチヒです。残りの都市は全て旧西ドイツ(ハンブルク、シュツットガルト、ニュルンベルク、フランクフルト、ミュウンヘン、ハノーバー、ゲルゼンキリヘル、ケルン、ドルトムント、カイザースラウテルン)です。注目はメイン会場のベルリン。実はベルリンが国際舞台のメイン会場になるのはかのベルリン・オリンピック以来70年ぶりなんです。ヒトラーの影を完全に払拭したというこですな。ベルリンやなどのヒトラーゆかりの地では「ここでヒトラーは自害しました」という標識をいまだにナチスに恨みを持つ人のために懺悔標識を出しているそう。
●ミュンヘンや、ニュルンベルクではネオナチが暴れそう…怖い…
●そういった意味でドイツにとっては意義深い大会です。
●ドイツ代表のエース・バラックは旧東ドイツ出身者。この大会にかける思いもひと際強いでしょう。
●とは言うものの、優勝は難しそうですな…守備力が落ちている。
●日本といえば、戦後払拭されましたが、かつての同盟国として密接な関係をかつてむっ済んでました。
●まず、明治維新時代、日本の陸軍を指導したのはドイツでした。
●ドイツ(当時はプロイセン)帝国は当時、フランスを破り、陸軍としては最強とみなされてました。モルトケ将軍の右腕メルケルが来日したのはその頃。メルケルは関が原の合戦の布陣地図を見て、「これは西軍(豊臣)の勝ちだな」と言った事で有名です。
●この頃、ベルリンに留学したのが後に陸軍軍医総監になる、小説家・森鴎外。小説「舞姫」で、ベルリンのの踊り子・エリスとの恋を格調高い漢文書き下し朝で執筆し、日本近代文学の代表作となりました。この小説は実話にもと基づいたもので、後年、帰国した鴎外のもとにドイツ女性が尋ねてきたことが明らかになります。
●同じ頃、ロンドンでノイローゼになっていたライバル・夏目漱石に比べて、颯爽としてかっこいいですが、これも後年の研究で異論が講じられています。先日、中国領事館の職員が中国のハニートラップ(女性スパイを接触させて、肉体関係を結び、相手側の情報を取るスパイ作戦)に引っかかり、自殺しましたが、当時のドイツも外国人留学生、それも軍関係者にハニートラップを仕掛けた可能性が高いという説です。後年、謹厳実直で有名な陸軍将校の石原莞爾もドイツ留学時代には愛人が居たそうです。
●もっとも、鴎外がもてたのは事実で、エリスのモデルになった人物が来日したのは船旅時代。ベルリンから東京へは優に一ヶ月は掛かった時代。まさか金をせびりに来たのではないでしょう。娘の森茉莉もあれだけ父を溺愛していたし…
●戦前の陸軍に皇道派と統制派という派閥がありました。皇道派とは226事件を起こした連中で、立憲君主制に反対し、天皇を中心とする絶対王政を標榜すしました。今となっては時代遅れですが、世は帝国主義時代。対する統制派は国家装総動員で、戦争しようという派閥で、実際には統制派が派遣をとって第二次大戦に突入したのはご存知のとおりです。
●その統制派の決起集会が行われたのがドイツの温泉保養地・バーデンバーデン。ニュールンベルクから電車で1時間です。その時のメンバーが永田鉄山、東条英機でした。
●このように第二次大戦の中心人物を配した陸軍がドイツと密接にコミットしていた事実を忘れてはならない。
●現在公開中の映画・松平健主演の「バルトの楽園」がちょっとええ話になっていますが…これは第一次世界大戦で中国・青島で捕虜になったドイツ兵が四国の捕虜収容所で軍人や地元住民との交流の話ですが、さもありなんといった内容で、こういう物語がリアリティをもつほど、戦前の日本(特に陸軍)はドイツびいきでした。それが後に第二次世界戦に繋がるんですが…
●トーマス・マン、ゲーテと言えば戦前の文学青年の必読書。ビルドゥングスロマン(成長小説)は世界中に影響を与え、「若きヴェルテルの悩み」を読んで自殺した若者が続出したそうです。
●モーツアルト、バッハと言えば、クラッシック音楽の二大巨星として今日も世界中でもっとも演奏されています。
●マックス・ウェーバー、カント、マルクス、ニーチェ、フロイトと言えば20世紀の哲学・思想に最も影響を与えた巨人です。一冊も読んでない方は21世紀どころか20世紀すら理解できないので、すぐ読みましょうお薦めはウェーバー「プロテスタンティズムと資本主義の精神」カント「永遠平和のために」ニーチェ「ツアラトゥストラはこう言った」フロイト「精神分析入門」
●ポルシエ、ベンツ、BMWといえば日本人が最も好きな外車です。
●フリッツ・ラング、ヴィム・ベンダースなどドイツ映画も好きですね。ビリーワイルダーもドイツ系です。
●我々は多大な影響をドイツに受けています。もっともっと今回のワールドカップをきっかけにドイツを知りましょう
●ジーク、ハイル!!!!(ヒトラーのことももう一回見直すのにいい時期です。マジで)

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