Wednesday, June 21, 2006

ワールドカップ小噺②「愛国心」

●「教育基本法の愛国心問題。決着はついてませんが、ワールドカップの日本代表の決勝進出は決着つきましたね。ブラジルに二点差ですか…
●決定力不足、監督の采配ミス、暑さに負けたなどいろいろ言われてますが、「愛国心」の欠如も敗因の一つです。
●ドイツ人記者と軽口をたたく高原や、海外組のくせに緊張感のない小野に非難の声が集まっています(今週のナンバーに詳しく書いてます)。
●ワールドカップと愛国心は深い関係があります。例えば、スペイン。フランコ将軍の圧政のせいで、カステリーヤ人、バスク人はマドリード人が大嫌いです。それが理由で長年スペインは国際舞台で勝てませんでした。フランコはレアルマドリー(王様のマドリッド)を贔屓して、その対抗心としてバルサが強くなりましたが…
●ところが、今回のスペインはやけに強い。理由は愛国心です。ラウルを押しのけてFWで活躍するビジャは20歳。フランコが死んで30年経った今日、ビジャは若いのに愛国者として有名です。
●お隣の韓国は強烈な愛国心で予選を突破するでしょう。日本と技術的な差はほとんどないので「愛国心」の有無が如実です。
●アルゼンチンやアフリカ諸国は宗主国イングランドが世界に広めた植民地サッカーに地元民が勝利することによってナショナリズムを高揚させてきた歴史があります。元祖のイングランド自身もFAカップでパブリックスクールチームを炭鉱労働者チームが破ることによって労働者階級のスポーツとして定着しました。イタリアやドイツなどではある時期はファシズムにも利用されてきましたが…
●GHQの要請で権力を得た日教組の暗躍で戦後民主主義教育は愛国心を育てることを封印しました。冷戦崩壊後もゾンビのように生き残る左翼的言論。評論家の柄谷行人氏のように私たちは「世界市民」として振舞わなければいけないのでしょうか。
●愛国心=国民国家の基礎概念をもつことは近代にとっては重要事項でした。国旗、国家を発明したのが革命後のフランス政府であることがこのことを証明しています。
●日本はフランス革命の1100年前から国民国家概念で建国されていました。作家の坂口安吾の説ですが「日本人は元来、朝鮮半島からの移住民族が覇権を争い、それぞれ百済、新羅、高句麗系の移住民が日本で代理戦争し、最後に現天皇家が勝った。その後も源氏、平氏の争いは過去を引きずっているに過ぎない」と大胆な仮説を論じています。新羅系か百済系が勝ち、記紀神話を創作することによって、過去の地方豪族、渡来系民族の歴史を捏造したのである。ワタクシはこの意見に賛同しますので、この伝で話を進めると日本は世界最古の国民国家だと言えます。
●そんなわが国が始めて国民国家概念を否定したのが戦後です。今回のワールドカップ予選敗退は戦後民主義教育のつけがまわってきたとも言えます。
●今大会で愛国心を見せてくれた日本代表の中田英俊選手、川口能活選手。お疲れ様でした。

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