Monday, August 07, 2006

土地と日本人と司馬遼太郎

●先日、キムラ建設の篠原氏が仮釈放で会見していたが、体重が20キロ落ちたそう。まるで憑き物が落ちた幽霊のようだった。ところで偽造マンション問題。あれはどうなってるの?
●まず、ヒューザーの小島社長が建築発注→木村建築が構造設計を外注→姉歯建築士が設計→イーホームズが認可という手順で住民の方々は騙された。ということらしいんだが。怖いのはヒューザーが倒産したら金は一銭もかえてっこない。ローンは残る。住むところはない。という悲惨な状況になること。これで自殺者がでないほうがおかしい。もちろん、国は一切、補償しないだろう。かわいそうだけど、しょうがない。恐ろしいのはここから先の話。本当に手抜き偽造マンションは姉歯、ヒューザーだけなのかってこと。姉歯は個人事務所で彼に仕事の依頼がくることは自殺願望のある金持ち以外は考えられない。ヒューザーも手がけた物件はすでに判明しているのでこれ以上被害は広がらない。しかし、イーホームズは民間の検査機関では国内でも大手だと言うこと。つまり、イーホームズ自体に偽造を他にも見逃していた可能性はなかったのか。最終的には国交省に認可を受けるのだが、実際、書類に眼を通しても役人には解らないそう。 つまり、今回の事件の元凶はイーホームズにある。 なぜなら、世の中には、鉄筋の材料費けちって懐にいれようという輩がいるということを前提に国家は危機管理をしなければならないからです。国交省が調査すべきはイーホームズの認可した他の物件の徹底調査であるはず。おかっないからできないだけだったりして……だって、日本中に100棟、いや1000棟の……ひょっとしたら、あなたの家も……
●先日、長野県知事選で田中康夫が敗北して、地元の県議会および財界が推す村井氏が初当選を飾った。これからはまた、公共事業政治に戻るのだろう。
●作家・司馬遼太郎は最晩年、盛んに土地の公有化を主張していた。司馬曰く「これ以上、日本人が地上げなどで儲けようとすると日本人の心が荒廃する」。今から20年以上前の話だ。
●先述した偽造マンション問題も、地方財政の破綻も要は土地問題なのである。先日、財政破綻した夕張市も購入した土地の支払いが財政赤字をもたらした最大の原因である。よそのこれから破綻するであろう自治体もおおむね、土地でパンクするだろう。
●司馬氏に言わせれば「明治維新で皇室付にした御料地が未だ未整理のまま、官僚のさじ加減で民間に売られている。その辺を曖昧にしたまま、日本の土地行政は今日までいたっている。銀座でコーヒーいっぱい900円するのも合理的な土地の価格がついてないからだ。このままでは問いのコスト高で満足な資本主義が成立しなくなる」と論じている。
●評論家・大前研一氏も「都市部にある農地を宅地として再利用すれば土地代は半分になる」と主張する。
●ところでいつから日本人はこんなに土地が好きになったのか。
●日本人がマンションを購入するライフスタイルになったのは戦後40年のこと。ワタクシも東京に15年住んでますが、古くからこの町に住んでいる人は結構、借家に住んでいる。いわゆる借地権付住宅だ。マンションの平均耐用年数が30年なので、土地代は全く計算できないマンションをローンを組んで購入するのは狂気の沙汰なのだ。
●現在60歳以上の年金勝ち組は土地が右肩上がりの時代に住宅を入手したが、それ以降の世代で土地で稼いだ人はバブル時のプロ意外はいまい。
●また、今日、都市部の商業地区の土地が上がっているが、これはREITという不動産投資信託が発達したおかげ。しかも外資系の投資が中心なので、本格的な土地バブルになる可能性は少ない。
●どちらにせよ、生産能力を踏まえた上で、まだまだ日本の土地は割高なのである。
●戦後の農地解放によって自分の土地が持てる農民が大量に都市部に流れ込み、かつてのエートスというより悲願であった土地購入という亡霊に取り付かれているのかもしれない。

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